ISBN:978-4-910205-85-4
定価:\1600+税
作品概要
作家の夫と離婚した冴子はノンフィクション作家として、葉子と高志を女手一つで育てていた。中学に入ってから高志は学校内でのいじめがきっかけで不登校になり、次第に家庭内での暴力や奇行が頻発していく。ついに精神科にかかるようになるも事態はひどくなるばかりだった。処方される薬はどんどん増え、高志は数々の事件を起こしていく。家族が高志に振り回される様子が姉である葉子を通して語られていく。
母冴子を反面教師として、目立たぬことを信条として平凡な専業主婦を夢みた葉子だったが、結局は母と同じようにシングルマザーとして生きていくことになる。母と弟の高志の攻防に巻き込まれ続けた葉子は、冴子亡きあと遺品整理をしながら、心を病んだ子供の責任をどう取るべきなのか、生き方を模索していく……。
著者紹介
1957年東京生まれ。我が子がいじめによって不登校になったことをきっかけに、数々の支援団体や勉強会に関わる。ひきこもりや家庭内暴力の挙句の殺人事件などを、単に育て方の失敗や毒親のせいとして片付けるのではなく、今一度社会全体で考えていきたいと、様々な活動に参加。