ISBN:978-4-910205-07-6
定価:\1600+税

作品紹介

 本作品は日本銀行の父とされる偉人・渋沢栄一の僅か5年間たらずの青年期を描く。
幕末、どこにでもいる尊皇攘夷の志に燃えた若者のひとりである栄一。若さゆえの勢いと持てる向学の才で、運命に翻弄されながら、皮肉にも攘夷の志を持ちながら幕臣となる。思いと真逆の立場で識る世の中のほろ苦さと矛盾。やがて日本という小さな世界から飛び出して、パリの万国博覧会を目の当たりにした渋沢栄一は、幕臣としてこれからの新しい世を牽引する目標をみつける。このとき、奇しくも徳川幕府は滅びようとしていた。
 本編中の渋沢栄一は、新社会人になったばかりの前途定まらぬ現代の若者の投影であり、ひょっとしたら若い日の作者そのものかも知れない。
すべての若者に、この作品を捧げる。

著者紹介

夢酔藤山(むすいとうざん)
1967年東京都西多摩郡生まれ。
2000年「奇本太閤記」で第73回コスモス文学新人賞長編小説部門新人賞を受賞。以後、文筆へ。2003年三田一族の存亡を描いた「梅の花の咲く処(西多摩新聞)」連載より年イチの割合で作品を発表する。「聖女の道標A Japanese Nightingale」は日本赤十字社をはじめとする多くの協力により2007~2010年の長期連載となり、2010年に単行本化(重版)された。
里見正史を描いた三部作「春の國」「夏の波濤」「秋の幻」を房州日日新聞に発表。新聞連載を主体に置きながら、折込みタウン紙にエッセイを連載。また関連団体ホームページ(「井上源三郎資料館」「安房高野山真言宗妙音院」等)や冊子に作品発表する。里見正史の作品より生み出された楽曲「風の国 仁(馬頭琴美炎)」のCDにライナーノーツ記載、劇団き楽座の舞台脚本執筆と、節操なく活躍している。
2020年は「頼朝伝(房州日日新聞)」「千人同心がゆく(西多摩新聞※令和薫名義)」「やじより-松尾多勢子異聞-(南信州新聞)」の小説連載をはじめ「里見発見伝(NNB南房総情報誌)」「郡内おやまだ散歩のお誘いagain(小山田信茂公顕彰会ホームページ)」にてエッセイ連載中。
歴史研究会東京支部会員(H30年歴史大賞功労賞受賞)。