ISBN:978-4-910205-70-0
定価:\1600+税

作品概要

皇位を継ぐ者は父方の血筋で辿れば神武天皇に行き着く男系でかつ男子のみとされています。そのため後継候補者がたいへん少なくなっており、こうした男系天皇という伝統を守るべきなのか、いまこそ女系天皇を認めるべき時なのか。大きな関心を呼びメディアでもしばしば議論が取り上げられています。
ただ幾つかの意見・主張を聞いていると疑問がでてきます。
●事実はどうであったのか?
そもそも神武天皇は実在したのか?それは分からないというのが定説のはずだが、血筋の話しになると途端に間違いなく「存在した」として話しが進むのはご都合主義ではないか?
そこで多数ある古墳、その中でも大王墓に着目し、倭国の王統はいつから始まるのか、ヤマト建国者存在の有無、それは誰だったのかを明らかにします。
●根本的な疑問「なぜ男系?」
これは難問です。しかしこの答えがなければこの議論は終わらないはずです。
万世一系とは、古事記・日本書紀の編纂時代の大きな政治課題である「律令制」の成功のために必要な概念です。律令制には唯一特別な存在、絶対的な存在とされる人物がなくてはなりません。その為に神に繋がる正当な人物として「天皇」が描かれました。また苛烈な皇位継承争いもありました。
こうした天皇像に反映されるその時代の要請を紐解くことで謎を究明していきます。

著者紹介

1957年、東京都生まれ。
IT企業でデータ解析を使ったコンサルティング業務に従事。
2006年より長野県戸隠において自然信仰の場の撮影を始める。
2011年の東日本大震災を切掛けに「神道」という世界でも独特な信仰観は、古代の人々の価値観との共通言語になり得るとの認識を持ち、古代史の謎への挑戦を続けている。

著書
写真集「上水内の四季 伝承の里に息づく日本の心」(文芸社、2013年)
写真集「写真で見る善光寺の謎:水内の自然が育てた民間信仰」(キンドル電子書籍、2015年)
「古事記」に秘めた願い (文芸社、2016年)