ISBN:978-4-434-34095-6
定価:\1500+税
作品概要
【 誰も語らなかったもう一つの南北朝 】
~勇と智に生きた野田兄弟、義と武を貫いた菊池兄弟、叡知と学を極めた二条兄妹、そして「碧鏡」が遺された~
南北朝時代と言うと、後醍醐天皇と足利尊氏の対立や、戦いに敗れた南朝側の悲哀ばかりが注目されがちであるが、本当の歴史はそればかりではない。
本書は、堺に実在した野田城を本拠とし南朝側の立場にあった野田家、北朝側の屋台骨を支えた公家である二条家、そして九州で独自の地位を築いていた菊池家に属する六人の若者たちを主役に据え、南北朝の分裂から明徳の和約まで約六十年にわたって平和的統合を目指し続けた彼らの記録となっている。
「碧鏡」とは、二条良基が執筆し、後醍醐天皇の即位までを描いた歴史書「増鏡」の続編があったという想定上でのタイトルである。
また、同時代を舞台とした文楽・仮名手本忠臣蔵へのオマージュとして、文楽作品の中のエピソードなども取り込んでいる。
著者紹介
河合保弘
作家/司法書士
東京都江東区在住
中小企業総務部、医療法人理事などの経歴を経て、平成五年司法書士登録。
開業以来一貫して予防法務とリスクマネジメントを専門とし続け、時代の要請に応じて遺言、種類株式、事業承継、企業再生などを主業務としてきたが、信託法改正以降は信託制度に着目、親愛信託の組成支援、関連する講演と出版に特に注力しており、出版は小説七作品を含み二十五冊以上、講演実績は通算一千回を超える。平成三十年に一度「隠居」したが、社会情勢の変化と「昭和百年」が到来することを鑑み、令和五年十月より本格的に活動再開。