ISBN:978-4-911093-88-7
定価:\1200+税

作品概要

私、碧山美樹は幼少期からクレアボヤンス能力を備えた不思議な女性に成長。中学生の時、父が借金取り立ての暴力団組員に自殺に追いやられたことが頭に残こり、いつか復讐をと心に誓った。成人になり関東中央銀行に入職、上司の指示で資産運用セミナーを開催。参加した顧客の津野山と荒川は第一山川製薬の株をインサイダー取引で購入したが、株価は大暴落し多額の借金を背負う。そして連続殺人事件、セミナーで株取引を持ち掛けた中村課長の転落死、第一山川製薬の新薬開発者大田原部長の海中転落死が起こる。警視庁捜査一課は鉢山宗太郎刑事を中心として捜査を開始したが、中途で何故か警視総監命で捜査が打ち切られた。私は鉢山刑事の捜査を協力するうちに鉢山を愛するようになり、二人だけで独断捜査を開始、次第に全貌が明らかになる。連続殺人事件は暴力団時山組配下の犯行と判明。実は時山組長は同郷の糸井建設の糸井安吉社長の子分格だった。糸井は東大法学部を卒業、同期生の第一山川製薬山川社長、関東中央銀行の新藤頭取、実田村警視総監ら四人と昵懇になり、タッグを組み悪事を重ねていた。邪魔者は時山組員を使い消し去り、実田村により捜査を隠蔽する縮図が浮かんだ。まさに悪の巣窟だ。その後、軽井沢山林で糸井と実田村の白骨遺体が発見される。その間、私は奇妙な経験をした。Xmasイブに鉢山と一夜を過ごし、朝目覚めると一晩で十年後の自分であることに気づいた。何ということだ。その空白の十年間で私は警察学校に入学、刑事になり、鉢山と結婚したことを鉢山から聞かされる。私にとっては理解不能で、その間の記憶は全くない。それは医師により転移性脳腫瘍のための逆行性健忘症と診断され、病状は徐々に悪化し死を迎えることになる。鉢山は私の死後、残した手帳を読み事件の全貌が明らかになる。実は空白の十年間で私は津野山、荒川らと共謀し、四人が軽井沢でのゴルフラウンド後、糸井と実田村を殺害、二人の遺体を軽井沢山林へ埋め白骨化した状態で数年後に発見されたことが分かった。また、私と姉の沙樹、母の真紀子は昔、父を自殺に追いやった暴力団組長の菊池吉之助を三人で殺害し、復讐を遂げる。
鉢山は私の死後、私が心残りだとした山川と新藤の二人をダンプカーの接触事故を装い事故死させ私の無念を晴らした。全てをやり終えた鉢山は真実を書いた手紙を捜査一課へ送り、焼身自殺。私と鉢山の二人は死を持って黒の巣窟を消し去った。

著者紹介

井埜利博
1977年順天堂大学医学部卒
2000年医療法人いのクリニック理事長院長
2002年~2021年群馬パース大学客員教授
2006年~2020年熊谷市医師会看護専門学校校長
2020年~作家活動開始