ISBN:978-4-910205-93-9
定価:\3500+税
作品概要
交通事故を含む種々の事故や犯罪によって子どもたちが被害を受けたという報道はあとを絶たない。これらの被害が発生した時には多くの人の関心を集め、同様な被害の再発を防ぐための対策がとられることが多いが、時間の経過とともにその記憶が薄れ、対策が手薄になるためか、同様の被害が全国どこかで発生するというのが実情である。
その潜在的な原因は、特に犯罪被害については、根拠が無いのに身の回りは絶対に安全だという思い込みや錯誤に陥るという「安全神話」とか、自分にとって都合の悪い情報を無視したり、過小評価するという「正常性バイアス」にあると思われる。
本書では、この「安全神話」や「正常性バイアス」を除くために、1952年(昭和27年)までさかのぼって新聞報道を調査し、子どもに関わる2000件あまりの事件・事故の記事を抽出して分析し、その結果を学校安全ボランティアの活動の説明や提案に添付し、全国どこでも子どもの被害が発生する可能性があることを訴えている。
この特徴を持つ本書は、子どもたちの被害を防ぐために、学校安全ボランティアだけでなく、幼稚園、保育園、学校関係者、保護者をはじめ、多くの人に読んでいただく価値があるということができる。
著者紹介
浜野哲郎(はまのてつお)
鳥取市出身(1934年)。
子どもの頃から時計の分解や、トランス、モーター、ラジオの自作に熱中し、広島大学工学部電気工学科に進学。特許庁で電気関係の審査、審判に従事。東京地方裁判所で調査官として電気関係の調査に従事し、辞職後は弁理士としての業務に就いた。
引退後は社会福祉協議会のボランティア活動に取組み、その後は千葉県交通安全推進隊の一員として子どもたちの安全に関わるボランティアとして活動。