ISBN:978-4-910692-53-1
定価:\1400+税
作品概要
「リベラル・アーツ」に“教養”という訳語は不適切だろう。それにはいまだ
処世の手段のような匂いがする。それよりも教養を含む“全人格的な洗練さ”と
いうべきではないだろうか。さて、そのリベラル・アーツにいたるための姿勢だ
が、名作文学は最大の入り口になってくれる。本書では、華厳経に登場する善財
童子のエピソードにならい、「53」編の名作・古典を俎上にのせ、その一つひとつ
から人類三千年の感性にふれる構成を考えた。ところで、おおよそ読書の動機
には、次の二つの姿勢がある。
①情報の整理 → 処理力アップ → ただの物知り → いいね!
②名作の精読 → 人間力アップ → リベラル・アーツ → 人生3回分を生きたも同然
この本で気づいてほしいのは、もちろん②への傾斜ということだ。53編を読め
ば、きっと文殊菩薩、普賢菩薩が笑顔で歓迎してくれるだろう。
著者紹介
著者は元フツーのビジネスマン。読書生活の中で心がけてきたのは、名作と呼
ばれるものは、とにかく読み、メモをし、特に名文句は必ず線を引いてきたこと。
それをいつか孫のために語ろうと思っていたが、そのボリュームが多くなったし、
そもそも“孫のため”というのもケチな料簡に思えてきた。大学時代にローマ法
を勉強した。先生が教えてくれたラテン語の格言、festina lente! (ゆっくり急げ)
が人生の基本姿勢となっている。