ISBN:978-4-910692-21-0
定価:\1800+税

作品概要

 あかりは文化――と最初に主張し始めたのは、おそらく日本における照明デザイナーの先駆者である石井幹子だろう。しかし、いまだにあかりが文化として社会に認知されているとは言い難い。
 本書では、あかりが人の暮らしとどのようにかかわりあってきたのかに焦点を当てることによって、その大切さと同時に文化的性格をあぶり出している。
【本書の特徴】
〇あかりのはじまりから2020年までの通史であり、人類の最初の人工光となった火の時代から、21世紀の光源となった発光ダイオード(LED)の開発とその後の展開までのあかりの歴史をまとめている。
〇あかりの展開を、日本の動きと世界の動きとを連動させ、あかりの世界をより身近に感じられるようにし、日本における電気事業の興りを初めて一般的に紹介している。
〇日本における照明の最大の謎、真っ白い光がなぜ身の回りにあふれかえるようになったのかを、歴史的に分析し、その最大の淵源は社会の大変革を経験した明治時代にあったことを指摘している。
〇21世紀に進展した新たな技術を単に技術的な展開として見るのではなく、これまでは成しえなかった次元の異なるあかりの世界がそこから生まれつつあることに触れている。

本書を通読していただき、こんな世界があったのかと思いを新たにしていただけるならば、筆者としては望外の喜びである。

著者紹介

ライター。1956年長野県生まれ。横浜市立大学卒、早稲田大学大学院博士課程満期退学。
AFP(フランス通信社アジア総局)、機関紙連合通信社、業界紙等を経て、現職。