ISBN:978-4-910205-43-4
定価:\1600+税

作品概要

私は高校一年生のときに、膠原病の中でも血管炎症候群に分類される「高安動脈炎」という難病を患いました。
病気になったことで日常生活を送ることもままならなくなり、私の高校時代は闘病生活で終えました。
発症してから6年が経ち、この手記を書いた頃に比べると病状も落ち着いたように思います。
それでも、一生治ることのない病(難病)です。
私は今でも毎日欠かさず薬を飲み、週に一度、自分でお腹に注射を打ち、定期的に大学病院へ通院をしています。
この手記は、高校を卒業するにあたり、この学校に自分がいた証を何か形として残そうと自己満足で書き上げたものでした。
なので、私はこの手記を「闘病記」ではなく「卒業制作」と読んでいます。
私はこの卒業制作を本にすることが夢でした。
それは、高安動脈炎を患っている方、膠原病などの難病を患っている方への生きる手助けになれたらなというおこがましい思いと、この卒業制作を死に物狂いで書き上げた当時の自分のためにも本にしてあげたいと思ったのも理由の一つでした。
内容も当時のままで、「よくもまあ、こんなのを本にして世間に出そうと思ったな」と自分でも思いました(おい)。
どの出版社からも断られ続け、「取扱い注意」のレッテルを貼られた問題作でしたが、書き上げてから五年が経ち、ついに念願だった出版への夢が実現し、感無量の極みでございます。
賛否両論はもちろんあると思いますが、これを本にすることが出来て、高校時代の私は報われたと思います。

17歳のときに書いた手記を22歳になって出版することが出来ました。
努力は必ずしも実るわけではありません。
ですが、努力は決して無駄になることはないと思っています。

なりたくて病気になったわけではありません。
「どうして病気は私を殺してくれないのだろう」
死なずに生きる方法を模索する日々です。
ただ、私が病気にならなければこうして自分の本を出版することもなかったのでしょう。
なら、私は死ぬまで書き続けようと思います。
どうか、生きることを諦めないで下さい。
生きづらさを抱えている人たちが少しでも生きやすくなれますように。

著者紹介

堀内愛華 (ほりうち あいか)
1998年11月5日生まれ。
高校一年生のときに、膠原病の中でも血管炎症候群に分類される「高安動脈炎」という難病を患い治療が始まる。
高校二年生の始業式の日に病気が再燃し、緊急入院をしてからは、別室登校をするものの病状の悪化で学校に通うことも出来なくなり、一時は寝たきりとなってしまう。
高校三年時では、一度も教室に入ることはなく、自宅でレポートを書き、月に何度か父親に車で学校まで送ってもらってレポートを提出しに行き、試験も別室で受けたことでなんとか卒業する。
そんな怒涛な闘病生活を文章にし、自分の思いを書き綴ることだけが心の救いだった。
高校三年生のときに両目を白内障と緑内障で手術している。
20歳で右膝の骨壊死にもなり、持病に加え、ステロイドによる副作用とも戦っている。

ミミズのように図太く、這いつくばって生きている。
よく干からびて(泣きすぎたせいで)動かなくなるが、水(人の優しさ)を与えてもらうことで復活している。
座右の銘は「諦めることはいつでも出来る。なら、まだその時ではない」。