ISBN:978-4-434-35584-4
定価:\1500+税
作品概要
『禁忌の肉。それでも欲しい』
『欲望の果てに待ち受けているものは、救済――のはずがない』
高校生の泉は、最愛の祖母を失い、悲しみに暮れていた。
葬儀の日、泉は信じられない光景を目にする。
弟の樹が祖母の遺体から肉を削ぎ、食べてしまう。
生前、祖母は「私は本当は人魚なんだよ。好きな人ができたら、私の肉を食べると良い」と話していた。
翌日、樹は突然歩けなくなる。戸惑う泉の前に現れたのは、佐伯と森谷という二人の先生だった。先生達は、樹と同じ症状の患者が他にいる事を伝え、原因は怪しい生肉にある可能性を示唆する。森谷が見せたSNSには〝浮気しなくなる肉〟〝離れられなくなる肉〟――そんなものが売られていた。
先生達は、生肉による寄生虫の感染症を疑っていた。
樹の体を蝕む正体は、人魚の力か、あるいは病か。
樹を救うため、泉は先生達と共に、祖母の故郷である田舎へ向かう。
そこで泉達が出会ったのは、人魚の血を引く渚と瑞葉という姉妹だった。
渚は樹に一目惚れをして、ある事実を告げる。
「あたしと子供を作り、人魚の赤ん坊の肉を食べれば、足は治る」と。
田舎に根強く残る異様な風習。人魚とは果たして〝なに〟か。
欲望と禁忌が織りなす、衝撃的な物語が幕を開ける。
著者紹介
アサキ
2020年より別名義でシナリオライターとして活動。
アプリゲームにてユーザー評価4.2(5点満点)を獲得した、女性向けホラーゲームの制作に携わる。
キャラクター設定、メインシナリオとイベントシナリオの原案および執筆を担当。
予想を裏切る刺激的な展開や、若い女性層に響く内容で評価された。
より自由な表現を求めて、現在は小説家として活動中。