ISBN:978-4-434-35434-2
定価:\1600+税

作品概要

会社組織では生きづらい独立志望の若者たちが「昭和研究会」をつくって毎晩、居酒屋「琥珀」に来て夢を語る。
小説家を目指す緒方信二、画家志望の玄葉和樹、漫才師として有名になることを夢見る菅野啓太と須山丈太郎、プロギタリストを目指す滝嶋陽介。
玄葉の言う「自分の生き方を作品に反映させろ」の言葉に触発されて、漫才コンビ「トッパーズ」の菅野と須山は、間違った生き方を漫才ネタに反映させてしまう。そのため、店で知り合ったOLの柳瀬サチと木梨美玖をめぐる交友関係も絡まって、皆の友情に亀裂が生じ、思わぬ事件へと発展する。
若い彼らは思い通りの人生をなかなか歩むことが出来ず、ほろ苦い青春の日々を過ごすうち、サチと緒方は恋愛関係になり、緒方は遂にエッセイ本の出版へと漕ぎつける。
一方、滝嶋と別れた美玖は、次第に実直な玄葉に惹かれていく。最初から美玖の事が好きだった玄葉は幸せに満ち溢れ、二人の夢を膨らましていく。
或る日、美玖の勤める会社からの特命で、彼女は助成金絡みの事業を任される。だが、途中で会社ぐるみの不正に気付き、彼女はひとりで悩む事になる。会社と良心の板挟みになった美玖は、次第に追い込まれていく。
そんな中、居酒屋「琥珀」の店主の正体が露呈する。
普段から多くの事を店主の佐々木義人に学んでいた若い彼らは、驚きの目で接するようになるが、佐々木はいつも通り変わらず接してくれる。美玖は悩みを佐々木に相談したいと玄葉に依頼するが、肝心の美玖自身が仕事に追われて予定をとることが出来ず、時間だけが過ぎていき、遂に取り返しのつかない事態になる。
これを受け、「琥珀組」と呼ばれる彼らは店主の佐々木を中心に団結し、不正と悪事の張本人たちを探り出してリベンジする。

著者紹介

若林毅(わかばやし・つよし)
1959年岡山県倉敷市生まれ。
明治時代創業の醤油醸造業の家に生まれる。時代の変化に応じて改廃と起業を繰り返し、現在は多事業化して複数の会社を経営する。一方、画業でも幅広く活躍し、ベルリンでの個展をはじめ海外のアートフェアへも頻繁に出品している。国内では国画会に属し、金谷雄一氏に師事。毎年国立新美術館で開催される国展に出品中。2016年関西国展で「関西国画賞」を受賞。音楽活動においては、早稲田大学在学中からブルースやロックのバンドでリードギターとして活動し、帰郷後も地元において音楽活動を継続、40歳までギターを弾き続けた。
現在は、みずからの絵画のコンセプトにも通底する、精神世界の賢者たちの著書や史書を広く調べ「多くの気づき」を集約し、執筆している。
近著は、『コロナに勝つ心』(たま出版) 『Shall we 断酒?』(風詠社)