ISBN:978-4-434-35113-6
定価:\1400+税

作品概要

発明家の卵のモイタ少年は、鬱積した日々を送っていた。それは、モイタ少年にとって発明の師匠でもあり、そして唯一の親友でもあるトリトルおじいさんが、一年前から行方不明となってしまったからだ。パパには、眼鏡にヒビが入ってることにも気づいてもらえず、家では腹違いの妹に主役の座を奪われ、学校ではいじめられ、先生には煙たがられる日々。
そんなある日、モイタ少年は《あっちの世界》と呼ばれる世界に入り込んでしまうのだった。不思議の世界、死後との中間の世界、反対側の世界などと呼ばれるその場所で、モイタ少年は意思をもったランプと、心臓の飛び出た泣き虫の虎と出会う。
二人はあっちの世界に存在すると噂される、辿り着いた者の願いを叶えてくれる『幻の泉』を目指していた。モイタは奇妙な個性の二人とともに、幻の泉を目指し、歩みだす。
この世に起こる現実と、その裏側の真実のストーリー。子どもたちへ、そしてかつては子どもだった大人のための児童文学。

著者紹介

MOMO
1987年生まれ。東京出身。
幼少期に、宮﨑駿監督のアニメ映画に感銘を受け、将来はスタジオジブリでアニメーションの仕事に携わりたいという夢を抱く。青年期にその夢はことごとく打ち砕かれ、自暴自棄の日々を過ごす中で、たまたま本屋で目にした太宰治の「人間失格」のタイトルに当時の自己を重ね、本を手に取った。
文芸での感動体験が人を癒すことを確信し、純文学作家を目指し、執筆活動を開始する。その後、多くの子どもに感動体験を与えたいという原点に立ち返り、ファンタジー作家へと転身する。
2024年『時空ダイヤル使い ガルーの城』
2025年『モイタ少年とあっちの世界』を出版