ISBN:978-4-911093-35-1
定価:\1500+税

作品概要

笛の音が一段と高くなると、薄絹だけの二人が、舞いながら拝殿に出てくる。見物人は
息をのんで二人を見つめる。
舞の奉納が終わると、見物人は涙を流しながら、今年こそは豊作になると、満ち足りた心で帰り路をたどる。
八歳の末っ子を入れ、三姉妹は江戸の片隅で身を寄せ合って何とか生きていたが、長姉の枕探しが発覚し、江戸売り(逃避行)の旅に出た。
ひょんなことから、三人は日光社参例幣使の行列に加わり、このような舞を奉納することになった。
例幣使の行列が、京を目指し、江戸を離れると、二人は町女に戻り、深川に長屋を借りた。
運命だろうか、例幣使旅で知り合った幾多の人々と一緒に深川八幡様の参道で京料理屋を開店する。

著者紹介

杜沖(とちゅう)
長野県生まれ
【著書】
実践行動学講座
戦略の論理
【論文】
スーパーマーケット
外食産業事情
【小説】
轅輿のしくじり
命懸けの恩返し
珊瑚礁のサクラ