ISBN:978-4-910692-96-8
定価:\1600+税

作品概要

250年にのぼる鎖国により近代へのスタートが遅れたわが国ではあったが、明治以降における西洋をモデルとした近代化への道のりは脅威の勢いで達成したばかりか、世界の最先進国にまで上り詰めた。しかし、伝統を異にする西洋からは、もはやモデルとして活かす手立てはなく、迷走にあるのが日本の現状ともいえよう。
過去の成功が逆に呪縛となっている感にさえある。考える力を養わない知性偏重の教育の影響による社会の閉塞状況は、もはや危機的状況ともいえよう。指導者から庶民に至るまで主体性を失くしてしまった現状からして、国民の大半がお客様に成り下がった、まさに客体化のオンパレードである。
世界に誇れる霊性を基調としたわが国固有の文化的伝統は、今でも現代人の底辺に脈々と流れている。客観的な世界観ばかりでなく、主観を重んじた世界観こそ、混迷の時代を切り拓くための価値観でもある。今こそ新たな「令和版 学問のすゝめ」が求められよう。

著者紹介

黒川康徳(くろかわ・やすのり)
1950年生まれ
島根県出身 現岡山県倉敷市
石門心学研究家
心学敬明舎 舎主
著書『新時代の石門心学』日本地域社会研究所