ISBN:978-4-910692-59-3
定価:\1400+税

作品概要

現役の公証人である著者が民法などの法律を楽しみながら理解できるように現実の公証役場の業務をできるだけ忠実に再現。遺言などの公正証書作成の実務のほか、遺言や相続などについて、法律の仕組み、問題点、判例の解釈などを物語を楽しみながら理解することができる。
あらすじ
新型コロナウイルスの感染拡大や水害で大打撃を受け、再建をめざす大分県内の温泉旅館が舞台。重病で死期が近い温泉旅館の経営者は、旅館の経営を手伝ってきた弟夫婦に経営を引き継がせようと遺言公正証書の作成を考えるが、長く音信不通だった子供達が、新型コロナウイルスの感染拡大のために困窮し、金を借りるために旅館を訪れるようになった。子供達から遺留分を請求されて旅館の再建が困難になることを怖れた弟夫婦は、子供達が遺留分を請求できなくなるように、ある犯罪を計画した。病床にある旅館の経営者から遺言公正証書の作成を依頼された元検事の公証人は、そのからくりに気付き、巧みな話術で弟夫婦を追及し、真相を解明してゆく。そして、全てが明らかになったとき、驚くべき結末が・・・

著者紹介

伊藤俊行(いとう・としゆき)
東京大学法学部卒。検事に任官して様々な刑事事件に取り組み、平成28年7月から大分市内の公証役場(大分公証人合同役場)の公証人として、公正証書の作成等による民事紛争の予防に取り組む。大分県内の各地方自治体の協力を得て、各地方自治体の施設で講演会や相談会を積極的に開催し、相続争いを予防するための遺言公正証書や認知症の高齢者等の財産を適切に管理するための任意後見契約公正証書等の周知活動に力を入れている。