ISBN:978-4-910692-52-4
定価:\1400+税

作品概要

1960年代後半から70年代前半にかけて、アメリカ・イギリスを中心にロック、ジャズ、ソウルミュージックなどの大衆音楽は劇的な変革期を迎えた。
それらの音楽は時代に寄り添い、やがてその時代自体に大きな影響力を持つに至る。
ロックはその十数年で50年代のロックン・ロールからビートルズやボブ・ディランなど多くのミュージシャンによって大きく変貌し成熟して芸術の域にまで到達した。また商業的にもビッグビジネスとして急成長し、巨大な産業として成立するにまで至った。
ジャズの世界でもこの十年で電化が進みリズムは細分化され大きな変化を遂げ、ソウルの世界では黒人の公民権運動などと連携し社会全体に影響力を持つまでに成長した。元来大本であるブルースもその子供らであるロックスターたちによって、その存在意義の大きさを再認識させた。その大きなうねりは数多くの名盤(当時はレコード盤)を生み出すに至る。
それら数々の名盤には時代に埋もれてしまったものもあるがその多くは輝きが褪せることなく今も燦然と光り輝いている。
この作品は今だからこそ多くの方々に聴いて頂きたいその頃の名盤とそれら名盤を酒の肴に営業を続ける飲み屋「パットメセニ」に集うお客さんたちやマスター松吉の物語である。さて、今こそこの松吉マスターの呟きとともに、名盤探求の旅に出よう。
それはきっと貴方にとってもワクワクするほど楽しい旅であるはずだ。
他、短編9編を収録。

著者紹介

河井真月(かわい・しんげつ)
1959年、京都市生まれ。伏見工業高校卒業、立命館大学二部を除籍後家業の樋、屋根張り業に携る。1978年頃からバンドを組んで京都のライブハウス拾得や磔磔に出演しだす。
ドラマーとして永井ホトケ隆氏、近藤房之助氏、入道氏らのブルースメンと共演を果たし、現在は京都でイナヅマホーンズ、ウエストポーチその他セッション等で音楽活動を続けている。
2006年には相方の小泉聡氏とM-1グランプリに出場し、満杯の大阪ABCホールで漫才をした。今回の「真夜中の名盤酒場」は初めての著書となる。
現在は株式会社河成の代表取締役。