ISBN:978-4-910692-48-7
定価:\1600+税

作品概要

非力な流人公達である源頼朝が、どうやって武家の王となったか。その過程で背負う苦悩や野心や家族の想いを軸とした、勇ましくない男の生涯を描く。
凡庸な公達である源頼朝と、彼を御輿として担ぐ東国武士。石橋山で敗れた頼朝は房総へ逃れて、一か月ののちに武家の棟梁へと変貌を遂げていく。強い猜疑心で同族へと牙を剥き、弟さえも命を奪うことで源氏の頂点に立つ頼朝。権力と良心の狭間で、頼朝は常に迷い揺れ動く。房州日日新聞で2019年8月29日より2021年2月6日まで連載された本作は、房総における頼朝人気へ応えるものであり、かつ、当時の台風被災へ向けた房総復興に向けるエールとなった。刊行にあたり後日譚を加筆するなどの改定を加えることで、人間・頼朝像を描く。

著者紹介

夢酔藤山(むすいとうざん)
1967年東京都西多摩郡生まれ。
2000年「奇本太閤記」で第73回コスモス文学新人賞長編小説部門新人賞を受賞。以後、文筆へ。
2022年前期は「千人同心がゆく上巻(西多摩新聞社)」刊行をはじめ「御所車-知久太平記-(南信州新聞)」「千人同心がゆく(西多摩新聞)」「里見発見伝(南房総情報誌NNB)」に作品連載。「たびぽよ」など商業誌にも作品を寄せている。また第4回西の正倉院みさと文学賞に入賞、作品集に掲載。故遠山あき氏に縁深い文芸同人槇の会に所属。歴史研究会東京支部会員(H30年歴史大賞功労賞受賞)。