ISBN:978-4-910692-31-9
定価:\1400+税
作品概要
昭和16年、アジアにおける日本の勢力拡大に対し、経済封鎖により歯止めをかけようとするアメリカとの緊張が高まり、その軋轢により最終的には戦争を避けがたいものと考えられていた。
そんな中、関西地方の山中に突如として、77年先の未来の大規模商業施設が出現し、報告を受けた陸軍が海軍と協力し秘密裏に調査を開始した。その施設は、「秘密倉庫」と呼ばれ、先の世の民生品で満たされていた。いずれの物も、高い科学技術による電子機器や豊かな食品、酒類、革新的な医薬品、斬新なデザインの衣料品で、日本の将来における科学技術の進歩と人々の生活の豊かさ及び繁栄を感じさせた。
しかし、その後真珠湾攻撃を始点とする太平洋戦争勃発以降に「秘密倉庫」で見つかった電子辞書には、開戦以来の連戦連勝に水を差すような、数日後に迫った昭和17年4月のドーリットル中佐による東京空襲や、その後の終戦までの悲惨な結末が記録されていた。さらに、昭和18年になれば、戦時特別体制により兵器生産能力を増強したアメリカには太刀打ちできないことが判明した。
それまでの限られた時間の中で、末来の新兵器は何もないが、電子辞書の歴史的情報とパソコン、通信機器など未来の民生品を暗号、通信、哨戒索敵に駆使し、作戦計画、兵器運用の見直を行い、早期講和に向けた史実とは違った太平洋海戦が行われることになる。
戦闘状況については、歴史的事実、戦力、兵器性能、伝えられている指揮官の性格などを考慮し、作者なりにシミュレートしている。
著者紹介
吉田 三郎(よしだ さぶろう)
1952年 神戸市出身
兵庫県立姫路工業大学(現兵庫県立大学)
大学院修士課程修了後、明石市役所に入庁、1級建築士、建築主事の資格を取得し
建築関係の仕事を40年行い、2017年退職。
現在は、図書館の資料や、ネットのデータを参考に、パソコンに向かい仮想戦記などの物語を書く毎日。子供たちも独立し、妻と二人暮らし。兵庫県明石市在住。